2013年 07月 04日
乳がんと生きる1:第21回日本乳癌学会の公開セミナー |
たまには、乳がん患者らしい(?)活動をしてみようということで、先月末に静岡県浜松市にて行われた第21回日本乳癌学会学術総会の記念行事である、「乳がん公開セミナー」に行ってきた。
わざわざ東京から新幹線に乗って浜松まで行くという、アホの境地みたいなことなのだが、そもそも乗り物好きな私にとっては、新幹線に乗ってどこかに行くのっていいよね~ぐらいの軽い気持ちでの日帰り旅行である。浜松は初めて訪れる場所だったのだが、こだま号で東京から2時間近くかかるという、軽い気持ちで出かけたわりに、意外と遠い場所だった(笑)。
一応、事前に申し込んでおいた方がいいのかなと思い、Webサイトから事前申し込みを行ったところ、はがきにて参加証が送られてきたが、その文面には「乳がん」の単語を一切使っておらず、「公開セミナー」としか書いていない。あまり人に知られたくない人が応募しても大丈夫!というのは、よい仕組みだと思った。
今回、このセミナーに参加しようと思った理由は、上記に書いたとおり、乳がん患者らしい活動を個人的にしてみようと思ったのと、乳がんになった人は誰もが知っている、著名な先生方が壇上に登るわけなので、一度、直接お顔を見てみたかったというのもある。というか、たぶん、普通にセカンドオピニオンを依頼すれば、個人的に、直接会えるものだと思うし、有用な情報も得られるはずなので、どうせお金を払うなら、新幹線じゃなくて、本来はセカンドオピニオンだよな……。まあ、アイドルのおっかけ自体はしたことないけど、そんなもんだと思ってもらえばよいかと。医師をアイドル化してる自分もおかしいけど、なんとなく、気になるじゃあないですか、ほら、あの、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」に出てた先生ですよ(番組は見てないんだけど)、とか(笑)。
朝6時台に家を出て新幹線で爆睡したあと、浜松駅に開始時間ちょっと前に到着し、急いで会場に行くと、それなりに人は集まっていた。事前に申し込んでなくても、その場で申込みを行えば、そのままセミナーに参加できるようだった。
乳がんに関して、著名な方々が次々と登場
時間になると、パイプオルガンの演奏が30分ほど行われたのちに、今回の日本乳癌学会学術総会の会長である、腫瘍内科医として著名な浜松オンコロジーセンターの渡辺亨先生と乳がんの患者会、あけぼの会の会長であるワット隆子さんによる開会の辞があり、その後は昭和大学医学部の中村清吾先生の基調講演(なんだろうか??)「乳がんに負けない!〜明日を拓く侍やなでしこ達の熱き闘い〜」が行われた。
少し休憩があったあとは、パネルディスカッション「みんなで語ろう 乳がん治療」と題した、パネルディスカッションがあり、中村先生に加えて、大野真司先生(九州がんセンター)、宮良球一郎先生(宮良クリニック)、成田富美子認定看護師(青森県立中央病院)、角谷京子看護師(浜松オンコロジーセンター)がパネリストとして壇上に登った。
パネルディスカッションにおけるテーマは、ざっくり言うと、遺伝性乳がん、乳がんの手術、薬物療法、薬物によるしびれをどうするか、再発への不安とどう向き合うかというもの。各テーマに関してよくある質問の回答という形で、誰もが考えるであろう疑問などに答える内容といった感じだった。
で、だ。
このセミナーは誰のため?
私は他の乳がんに関する公開セミナーなどに行ったことがない。だから、これが普通ならそれまでなのだが、このセミナーはいったい、誰に向けたものか?というのが、終わった後に謎として残った。来場者の多くは患者のようだし、内容も遺伝性乳がん以外は、患者やその家族などの関係がある人以外は、知らなくてもいいことじゃないのかなと。例えば手術に関して、乳房温存か乳房切除か?センチネルリンパ節生検の特徴などは、乳がんの患者さんであっても、手術前でここに来ている人というのは少数だろうし、そもそも手術が終わっている方がほとんどなんじゃないかと思うと、この場で話すべき内容なのかなぁと思ってしまった。
この公開セミナーのポスターには、「乳がんについての正しい知識を一般の方にわかりやすく提供します」とあった。おそらく、「一般の方」とは、乳がんの患者だけではなく、患者や家族などの関係者、そしてそれ以外の方という対象はとても広い思うんだけど、正直、内容がそれにふさわしいかと言われると、首をかしげてしまう。内容の質は悪くなかったし、患者としては有用な情報もあった。でも、このセミナーが誰に向けて情報を発信するために行われているのかが、正直なところわからなかった。
実は、この公開セミナーの前日に、「患者セミナー」というのが催されていたようで、そちらは、この学術総会の発表内容を、患者に向けて解説するといったものだったらしい。そちらは出席してないので、何があったのかはわからないけど、壇上からの参加者への問いかけた質問の結果を見ると、参加者の半数ぐらいは、前日の「患者セミナー」に参加していた人たちらしい。そっちで患者向けは終わったのかと思ってたけど、その続きってことなのだろうか。
私自身、何か画期的な情報が得られることを期待して行ったのではなく、ある意味追っかけみたいな軽い気持ちで参加したので、このセミナー自体を批判する気はまったくない。批判するなら反論や代替案などを用意して行うべきものだし、そんなことは考えていないので、単なる感想として「このセミナーは、誰に向けたものなのかな」と思ったということで。残念ながら、セミナーのターゲティングは理解不能というのが誤算だったけど、著名な先生のお顔を直接見れたし、情報としてはよいものもあったから、それでいいんじゃないかと(それでいいのか……)。
「開催する」ってことが重要だと言われれば、さもありなん。つまり、そんなものなのかも。
1回出てみたら、他がいろいろと気になってきたので、この先も乳がん関係の公開セミナー(患者向け、一般向け問わず)に、時間があれば参加してみようと思っている。
というわけで、たまには写真シリーズ in 浜松。
今までのポスターとか見てないから、よくわからないんですけど、この感じは結構好きです。
イラストレーターさんは誰なんだろう……。
浜松は餃子が有名だってことで、帰り際に餃子を食べてみた。
中央にもやしが乗っているのが特徴らしい。
わざわざ東京から新幹線に乗って浜松まで行くという、アホの境地みたいなことなのだが、そもそも乗り物好きな私にとっては、新幹線に乗ってどこかに行くのっていいよね~ぐらいの軽い気持ちでの日帰り旅行である。浜松は初めて訪れる場所だったのだが、こだま号で東京から2時間近くかかるという、軽い気持ちで出かけたわりに、意外と遠い場所だった(笑)。
一応、事前に申し込んでおいた方がいいのかなと思い、Webサイトから事前申し込みを行ったところ、はがきにて参加証が送られてきたが、その文面には「乳がん」の単語を一切使っておらず、「公開セミナー」としか書いていない。あまり人に知られたくない人が応募しても大丈夫!というのは、よい仕組みだと思った。
今回、このセミナーに参加しようと思った理由は、上記に書いたとおり、乳がん患者らしい活動を個人的にしてみようと思ったのと、乳がんになった人は誰もが知っている、著名な先生方が壇上に登るわけなので、一度、直接お顔を見てみたかったというのもある。というか、たぶん、普通にセカンドオピニオンを依頼すれば、個人的に、直接会えるものだと思うし、有用な情報も得られるはずなので、どうせお金を払うなら、新幹線じゃなくて、本来はセカンドオピニオンだよな……。まあ、アイドルのおっかけ自体はしたことないけど、そんなもんだと思ってもらえばよいかと。医師をアイドル化してる自分もおかしいけど、なんとなく、気になるじゃあないですか、ほら、あの、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」に出てた先生ですよ(番組は見てないんだけど)、とか(笑)。
朝6時台に家を出て新幹線で爆睡したあと、浜松駅に開始時間ちょっと前に到着し、急いで会場に行くと、それなりに人は集まっていた。事前に申し込んでなくても、その場で申込みを行えば、そのままセミナーに参加できるようだった。
乳がんに関して、著名な方々が次々と登場
時間になると、パイプオルガンの演奏が30分ほど行われたのちに、今回の日本乳癌学会学術総会の会長である、腫瘍内科医として著名な浜松オンコロジーセンターの渡辺亨先生と乳がんの患者会、あけぼの会の会長であるワット隆子さんによる開会の辞があり、その後は昭和大学医学部の中村清吾先生の基調講演(なんだろうか??)「乳がんに負けない!〜明日を拓く侍やなでしこ達の熱き闘い〜」が行われた。
少し休憩があったあとは、パネルディスカッション「みんなで語ろう 乳がん治療」と題した、パネルディスカッションがあり、中村先生に加えて、大野真司先生(九州がんセンター)、宮良球一郎先生(宮良クリニック)、成田富美子認定看護師(青森県立中央病院)、角谷京子看護師(浜松オンコロジーセンター)がパネリストとして壇上に登った。
パネルディスカッションにおけるテーマは、ざっくり言うと、遺伝性乳がん、乳がんの手術、薬物療法、薬物によるしびれをどうするか、再発への不安とどう向き合うかというもの。各テーマに関してよくある質問の回答という形で、誰もが考えるであろう疑問などに答える内容といった感じだった。
で、だ。
このセミナーは誰のため?
私は他の乳がんに関する公開セミナーなどに行ったことがない。だから、これが普通ならそれまでなのだが、このセミナーはいったい、誰に向けたものか?というのが、終わった後に謎として残った。来場者の多くは患者のようだし、内容も遺伝性乳がん以外は、患者やその家族などの関係がある人以外は、知らなくてもいいことじゃないのかなと。例えば手術に関して、乳房温存か乳房切除か?センチネルリンパ節生検の特徴などは、乳がんの患者さんであっても、手術前でここに来ている人というのは少数だろうし、そもそも手術が終わっている方がほとんどなんじゃないかと思うと、この場で話すべき内容なのかなぁと思ってしまった。
この公開セミナーのポスターには、「乳がんについての正しい知識を一般の方にわかりやすく提供します」とあった。おそらく、「一般の方」とは、乳がんの患者だけではなく、患者や家族などの関係者、そしてそれ以外の方という対象はとても広い思うんだけど、正直、内容がそれにふさわしいかと言われると、首をかしげてしまう。内容の質は悪くなかったし、患者としては有用な情報もあった。でも、このセミナーが誰に向けて情報を発信するために行われているのかが、正直なところわからなかった。
実は、この公開セミナーの前日に、「患者セミナー」というのが催されていたようで、そちらは、この学術総会の発表内容を、患者に向けて解説するといったものだったらしい。そちらは出席してないので、何があったのかはわからないけど、壇上からの参加者への問いかけた質問の結果を見ると、参加者の半数ぐらいは、前日の「患者セミナー」に参加していた人たちらしい。そっちで患者向けは終わったのかと思ってたけど、その続きってことなのだろうか。
私自身、何か画期的な情報が得られることを期待して行ったのではなく、ある意味追っかけみたいな軽い気持ちで参加したので、このセミナー自体を批判する気はまったくない。批判するなら反論や代替案などを用意して行うべきものだし、そんなことは考えていないので、単なる感想として「このセミナーは、誰に向けたものなのかな」と思ったということで。残念ながら、セミナーのターゲティングは理解不能というのが誤算だったけど、著名な先生のお顔を直接見れたし、情報としてはよいものもあったから、それでいいんじゃないかと(それでいいのか……)。
「開催する」ってことが重要だと言われれば、さもありなん。つまり、そんなものなのかも。
1回出てみたら、他がいろいろと気になってきたので、この先も乳がん関係の公開セミナー(患者向け、一般向け問わず)に、時間があれば参加してみようと思っている。
というわけで、たまには写真シリーズ in 浜松。
今までのポスターとか見てないから、よくわからないんですけど、この感じは結構好きです。
イラストレーターさんは誰なんだろう……。
浜松は餃子が有名だってことで、帰り際に餃子を食べてみた。
中央にもやしが乗っているのが特徴らしい。
by sunday_tourist
| 2013-07-04 18:01
| イベントやセミナーなど